
2024年に外国人労働者の伸び幅が過去最大になった理由

行政書士三品美咲事務所


こんにちは。「TOKYO NYUKAN」行政書士の三品美咲です。
2025年1月、日経新聞に次のような記事が載りました。
- 厚生労働省は31日、日本で働く外国人が2024年10月時点で230万人となり、前年に比べて12.4%増えたと発表した。増加幅は25万人で集計開始の08年以降で最大となった。人手不足を背景に企業が採用を強化した。
今回はこの記事を参考に、昨年、外国人労働者の伸び幅が過去最大になった要因について紹介します。
人手不足という根本的な要因

まず、根本的な要因として挙げられるのは、やはり「人手不足」です。日本国内では少子高齢化が急速に進んでおり、労働力人口の減少は年々深刻さを増しています。さらに、「働き方改革」の影響で、労働時間に制約を受ける業種も出てきています。
こうしたことから生まれた雇用側の「人手不足を解消したい」というニーズと、外国人を受け入れられる「技能実習」や「特定技能」などの制度、そして日本で働きたい外国人。この3つの需給バランスにより、日本で働く外国人が増えていると考えられます。
外国人労働者の現状
朝日新聞の報道によれば、2024年における日本国内の労働力人口は6,957万人。厚生労働省の発表では、2024年10月末現在、日本で働く外国人の数は230万人。計算すると、外国人が占める割合は3.3%程度です。
国籍別に見ると、ベトナムが最も多く57万人(外国人労働者の24.8%)、次いで中国が40万人、フィリピンが24万人となっています。
なぜ外国人は日本で働くことを選ぶのか

昨今の円安や物価高騰を考えると、かつてに比べて日本で働くことの経済的なメリットは薄れているようにも感じられます。それでもなお、外国人が日本での就労を選ぶのはなぜでしょうか。
主な理由として、以下の4点が考えられます。
母国よりも高い賃金水準
確かに円安や物価高の影響はありますが、多くの国と比較すると、日本の賃金水準は依然として高いため、魅力的に映るようです。例えば、日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、2022年のベトナムの1人当たりの月間平均所得は660万ドン(約4万円)。日本だったら4日で稼げる額です。
技術・技能の習得
高度な技術や技能を学びたいと希望する外国人も少なくありません。実際、一定の専門性や技能を持つ外国人を受け入れる「特定技能」の在留資格で日本に滞在する外国人の数は、20万人に達しています。
日本語能力の向上
日本で働くことで、日本語能力の向上を目指す人もいます。日本語を身につけることがキャリアで有利になることがあるためです。
日本文化への関心
日本の文化や生活様式に興味を持ち、日本での生活を希望する外国人もいます。アニメ、漫画、そして伝統文化など、日本の文化は世界中で人気があり、日本での生活は魅力的な選択肢として捉えられているようです。
まとめ:外国人労働者増加の傾向は今後も続くか?

日本国内における外国人労働者の受け入れ態勢は、法整備なども進み、以前より整いつつあります。また、日本の治安の良さや文化水準の高さは、依然として多くの外国人を惹きつけており、日本文化への関心も高いままです。
これらの状況を総合的に考えると、外国人労働者の増加傾向は、今後も継続する可能性が高いと考えています。この機会をチャンスと捉え、外国人採用を進めていく事業者さまも増えていくのではないでしょうか。
行政書士三品美咲事務所では、外国人採用に関するご相談を承っております。丁寧にサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
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