行政書士三品美咲事務所
日本には、戦前からの歴史を背景に「在日韓国人」と呼ばれる方々が約30万人暮らしています。
長年にわたって日本社会の中で生活基盤を築き、二世・三世・四世へと世代が移る中、在留資格や国籍の問題も変化してきました。
この記事では、行政書士としての視点から「特別永住者」「永住者」「帰化」の違いをわかりやすく整理し、実務での支援ポイントを解説します。
「在日韓国人」とは、日本に長期在住する韓国籍・朝鮮籍の方々を指します。
戦前に渡日した方やその子孫を中心に、現在も多くの方が日本で暮らしています。
1965年の日韓基本条約により国籍関係が整理され、現在は次のような在留形態があります。
特別永住者:1952年以前から日本に居住する韓国・朝鮮籍の人とその子孫。
永住者:長期間の在留実績をもとに許可を得た外国人。
一般在留資格(就労・留学など):近年日本に来た韓国籍の方々。
つまり、「在日韓国人」という一つの言葉の中にも、法的地位には複数のパターンが存在するのです。
行政書士が実務で特に注意すべきなのは、「特別永住者」と「永住者」は似て非なる点です。
| 項目 | 特別永住者 | 永住者 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 特別永住者に関する法律 | 入管法第22条の2 |
| 対象 | 戦前からの在日韓国・朝鮮人と子孫 | 長期在留外国人全般 |
| 在留期間 | 無期限(カード7年更新) | 無期限(カード7年更新) |
| 再入国 | 簡易手続き可 | 通常の許可が必要 |
| 退去強制 | 例外的・限定的 | 一般規定に準ずる |
両者とも日本で安定した生活が可能ですが、特別永住者は歴史的経緯に基づく特別な法的地位です。
この点を正確に理解することが、在日韓国人の方々を支援する第一歩です。
近年、三世・四世の世代では「帰化申請」を選択する方も増えています。
理由としては、
・就職や進学の場面での手続き簡素化
・パスポート・相続・家族関係の整理
・将来の安定と子どもの教育のため
などが挙げられます。
帰化申請には、生活実態・納税・素行・生計の安定が重視されます。
行政書士としての実務では、次のようなサポートを行います。
韓国戸籍(家族関係証明書・基本証明書)の翻訳と整理
日本側の住民票・納税証明書・職業証明の確認
申請理由書の作成と添削
帰化後の名義変更・相続関係整理の支援
単なる手続き代行ではなく、「どう生きたいか」という本人の意思を形にする申請支援が重要です。
現在の在日三世・四世世代では、韓国語が話せない方も多く、国籍意識よりも「日本で生まれ育った生活者」としての側面が強くなっています。
一方で、文化・経済・教育の場で日韓をつなぐ役割を果たす方も増えています。
実務上では、以下のような相談が増えています。
・韓国籍配偶者との婚姻・在留資格手続き
・韓国戸籍・家族関係証明書の翻訳
・韓国相続に関する手続き
・永住・帰化の更新・再申請の相談
こうした事案は、国際法務と生活支援が一体化した分野です。
行政書士には、書類の正確さだけでなく「多文化理解」と「対話力」が求められます。
在日韓国人の方々は、日本社会の中で深い歴史と絆を築いてきました。
特別永住、永住、帰化など、法的地位はさまざまでも、その根底にあるのは「安心して日本で生きる」という共通の願いです。私も帰化申請をする前は在日韓国人でした。
行政書士の仕事は、単に書類を作成することではありません。
それぞれの人生に寄り添い、「安心」「理解」「信頼」で人と社会をつなぐことこそが、法務専門職としての使命だと考えています。
行政書士三品美咲事務所では、
・特別永住・永住・帰化申請のサポート
・韓国戸籍・翻訳書類の整備
・家族関係・在留・相続などの国際法務手続き
を通じて、在日韓国人の方々の暮らしを総合的に支援しています。
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