行政書士三品美咲事務所
行政書士試験は、独学でも合格を十分に狙える国家試験です。
私自身、多くの受験生を見てきて感じるのは、大切なのは学習時間の量よりも「計画性」と「教材選び」 です。
ここでは、私が独学で合格を目指すならこう進める、という勉強計画と教材の選び方をまとめました。
まず大前提として、独学で合格を狙うなら 600〜800時間の学習 を見込んでおくべきです。
社会人なら平日2時間・休日5時間、学生や専念できる方なら1日4〜6時間が目安です。
教材費は高額な講座を取らなくても大丈夫で、2〜3万円程度 に収まります。
テキスト・過去問・判例集・模試、この4種類を揃えれば十分です。
1ヶ月目:民法・憲法の基礎固め
民法を「総則 → 物権 → 債権」の順でテキストと過去問を並行。憲法は人権判例を中心に「結論+理由」で覚えます。
→ この段階で、基礎問題を6割取れるようにします。
2ヶ月目:行政法に着手
行政法は得点源です。行政手続法、不服審査法、訴訟法、国家賠償法、地方自治法の順に進めます。
条文暗記がカギ。毎日少しずつでも声に出して読み込みます。
3ヶ月目:行政法の強化+商法会社法導入
行政法は過去問で徹底的に回す。商法会社法は「会社の機関」など出題されやすい部分だけ。一般知識(個人情報保護法)もここから始めます。
4ヶ月目:一般知識強化+総復習
文章理解や情報通信を強化しつつ、全科目を復習。弱点リストを作って、苦手を1つずつ潰していきます。
5ヶ月目:実戦演習
過去問を3周以上解き直し。市販模試を解いて、本番と同じ時間配分を意識します。
6ヶ月目〜直前期:総仕上げ
模試を複数回こなし、弱点を徹底的に修正。行政法の条文暗記を直前まで続け、文章理解で確実に得点します。
独学の最大の落とし穴は、教材をあれこれ手を出しすぎることです。
私なら、以下のように揃えます。
基本テキスト:TAC出版「みんなが欲しかった!行政書士の教科書」
→ 図解が多く、初めてでも理解しやすい。
過去問集:同シリーズの「過去問題集」
→ テキストとの対応がしやすいので、復習効率が高い。
判例集:LEC「判例マスター行政書士」
→ 必要な判例だけを厳選。余計な勉強をせずに済む。
一般知識対策:LEC「出る順 行政書士 一般知識問題集」
→ 足切り回避に必要十分。
模試:市販の予想問題集(TAC出版など)
→ 本番の時間感覚を磨くために必須。
教材は出版社ごとにカラーがあるので、自分に合ったものを選ぶと良いです。
TAC出版(みんなが欲しかった!シリーズ):初心者向け。カラー・図解豊富で読みやすい。
LEC(出る順シリーズ・判例マスター):効率重視。短期学習や社会人向け。
伊藤塾(合格テキスト):網羅性が高く、本格的に理解したい人向け。
早稲田経営出版(合格革命シリーズ):要点整理と肢別過去問で回転数を上げやすい。
行政書士試験は、正しい教材を選び、計画的に繰り返すことで、独学でも十分合格できます。
大切なのは、やることを絞り込み、毎日続けること。
まずは民法と行政法を土台に据えて、過去問を何度も解く。
これが合格への最短ルートだと、私は考えています。
受験生の皆さん、頑張ってください!